基準点成果等閲覧サービスで公表されている情報の解説 (各項目の詳細内容)

基準点コード

「基準点コード」の項目には、基準点を識別するために各基準点に割り振られたコードが表示されます。基準点コードは、以下の規則で割り振られています。

電子基準点及び三角点等の場合:
【基準点等級種別コード(3桁)】+【3次メッシュコード(8桁)】+【当該メッシュ内の連番(2桁)】(例:EL05440102601)

水準点等の場合:
【基準点等級種別コード(3桁)】+【複数の「0」及び当該水準点の標識番号(10桁)】(例:L010000011231)

基準点等級種別コードについては、表1をご参照ください。

表1 基準点等級種別コードと種別名
等級種別コード 基準点の種別名
EL0電子基準点
EL1電子基準点付属標
TR1一等三角点
TR2二等三角点
TR3三等三角点
TR4四等三角点
TR6図根点
TR9二等多角点
TRG経緯度原点
MPA, MPB, MPC地殻変動観測点
EK0四等三角点(GNSS固定点)
L00基準水準点
L01一等水準点
L02二等水準点又は二等道路水準点
L03三等水準点
L04一等道路水準点又は二等道路水準点
L05準基準水準点
L06一等水準交差点
L07一等渡海水準点
L08験潮場附属水準点
L09無号&験潮場固定点
L0G水準原点
GR0基準重力点
GR1一等重力点
G1E一等重力点(電子基準点付属標)
G10~19一等重力点(水準点)
MA0基準磁気点
MA1一等磁気点
MA2二等磁気点

ICタグ(ucode)

「ICタグ(ucode)」の項目には、標石に埋め込まれたICタグに格納されたコードが表示されます。

一部の三角点では、測量作業及び基準点維持管理の効率化を目的に、標石にICタグを埋め込んでいます。ICタグにはucode(場所情報コード)と呼ばれる128bitのコードが格納されており、ICタグリーダを使用し、現地で基準点に関する情報を読み出すことができます。

場所情報コードの詳細については、「場所情報コード閲覧システム」をご覧ください。

ICタグの写真

等級種別

測量方法や測量網の構築方法等の違いにより、基準点の等級・種別を分類しています。

「等級種別」の項目には、一等三角点や一等水準点などの各基準点の種別名が表示されます。種別名の一覧は、表1をご参照ください。

冠字選点番号

冠字とは、三角点の測量を実施する測量官に与えられた漢字1文字を示します。各三角点に割り振られた冠字は、その三角点を選点した測量官の冠字を示します。例外として、明治時代は漢字2文字を使用(例:山一、山二など)している三角点も存在します。また、基準点を外注作業により新設する場合は、当該測量作業を受注した測量会社に付与された冠字(K+漢字1文字)が示されています。

選点番号は、該当する三角点の測量作業を実施した際に、選点した順番を示す通し番号です。

(例)
三等三角点 剱岳
冠字:景(柴崎芳太郎測量官)
選点番号:27

電子基準点観測点番号

「電子基準点観測点番号」には、各電子基準点に割り振られた点番号が表示されます。 点番号は5桁から6桁の英数字で構成されており、以下の規則で割り振られています。(例:富士山 021100)

【設置年度の西暦下2桁(2桁)】+【識別を必要とする場合の識別記号(アルファベット1文字)】+【電子基準点設置の通し番号(3~4桁)】

部号

「部号」には、三角点を設置するために行われた一連の測量ごとに割り振られた番号が表示されます。(例:茨城県第○部)

部号は三角点の測量時期や測量地域等によって異なります。

成果品質

「成果品質」には、基準点の成果品質を表す指標として、各基準点が観測された時期の情報が表示されます。(三角点:1974年以降の観測の有無、水準点:1970年以降の観測の有無)

重点整備コード

「重点整備コード」には、国土地理院が重点的に管理している基準点に該当するか否かの情報が表示されます。現在、国土地理院が重点的に整備している基準点の対象は、以下のとおりです。(平成27年4月より、変更となる予定です。)

電子基準点取り付け

「電子基準点取り付け」には、基準点の測量成果(位置座標)が、電子基準点を既知点とした測量で求められたものか否かの情報が表示されます。

ワンストップサービスの可否

測量成果利用のインターネット申請システムである「測量成果ワンストップサービス」に対応している基準点か否かを示します。

対応している基準点の成果は、ワンストップサービスサイトで所定の申請を行うことで、入手することが可能です。

成果区分

「成果区分」には、当該基準点の成果を含む測量成果全体の名称が表示されます。

成果区分は、電子基準点及び三角点成果については表2に、水準点成果については表3に示すとおりです。なお、世界測地系(測地成果2024)以前の旧成果は、国土地理院情報サービス館(つくば市)で窓口又は郵送での交付申請が可能です。

表2 電子基準点及び三角点成果の区分
成果区分 内容
世界測地系(測地成果2024) 衛星測位を基盤とする標高成果への改定に伴う基準点成果改定(2024年4月1日)後の電子基準点、三角点、水準点等の測量成果の総称
世界測地系(測地成果2011) 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に伴う基準点成果改定(2011年10月31日)後の電子基準点、三角点、水準点等の測量成果の総称
世界測地系(測地成果2000) 平成14年の世界測地系移行後から2011年10月31日までの電子基準点、三角点等の測量成果の総称
日本測地系 世界測地系移行前の電子基準点、三角点等の測量成果の総称

電子基準点及び三角点成果の区分についての詳細は「測地成果2000」、「測地成果2011」及び「測地成果2024」をご覧ください。

表3 水準点の成果区分
成果区分 内容
世界測地系(測地成果2024) 衛星測位を基盤とする標高成果への改定に伴う基準点成果改定(2024年4月1日)後の電子基準点、三角点、水準点等の測量成果の総称
世界測地系(測地成果2011) 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に伴う基準点成果改定(2011年10月31日)後の電子基準点、三角点、水準点等の測量成果の総称
2000年平均成果 2002年4月に公表された水準点の測量成果の総称で、2011年10月31日までの水準点測量成果が該当
昭和47年平均成果 1972年に公表された北海道における水準点の測量成果の総称で、2002年の「2000年平均成果」が公表されるまでの水準点測量成果が該当
昭和44年平均成果 1969年に公表された水準点の測量成果の総称で、2002年の「2000年平均成果」が公表されるまでの水準点測量成果が該当

水準点成果の区分についての詳細は「2000年平均成果」、「測地成果2011」及び「測地成果2024」をご覧ください。

水準点経度緯度算出方法

「水準点経度緯度算出方法」には、基準点成果情報に示す緯度・経度の数値を算出した方法が表示されます。

水準点経度緯度算出方法の種類は表4に示すとおりです。

表4 水準点経度緯度算出方法
水準点経度緯度算出方法 内容
水平位置決定作業より算出 水準点でネットワーク型RTK法を実施し、緯度・経度を算出
地形図より算出 地形図上で水準点の位置を特定し、緯度・経度を算出

楕円体高

「楕円体高」には、GNSS測量で計測された地球楕円体の表面から法線に沿った地表面までの幾何学的な高さが表示されます。

地球楕円体とは、地球の形として最も良くあう回転楕円体のことで、世界測地系ではGRS80を採用しています。

標高基準が東京湾平均海面の場合、楕円体高、標高、ジオイド高の関係は、図1に示すとおりです。標高基準が離島独自の平均海面の場合は、図2に示すとおりです。

楕円体高と標高・ジオイド高の関係1
楕円体高と標高・ジオイド高の関係2

平面直角座標系(番号、X、Y)、縮尺係数

地球は球体ですが、地図等は平面で表現されますので、球面を平面で表す必要があります。この平面に投影する際に用いられるのが平面直角座標系で、平面上の2次元の直角座標で位置を表示される座標系をいいます。

平面直角座標系は、19の座標系から構成されています。縮尺係数とは、回転楕円体の表面における距離を、平面上(平面直角座標系)で表現する際に必要な縮尺補正の係数です。

平面直角座標系や縮尺係数の詳細については、日本の測地系の説明ページをご確認ください。

「平面直角座標系(番号)」には、19の座標系のうち、基準点の位置に該当する系の番号が表示されます。

「平面直角座標系(X)」及び「平面直角座標系(Y)」には、それぞれ各座標系における基準点位置のX座標、Y座標が表示されます。

真北方向角

平面直角座標系においては、原点(X=0,Y=0)を通る南北の軸(X軸)の方向が真北を指しますが、基準点の位置が原点から東西方向に離れると、平面直角座標におけるX軸の方向と真北の方向にはズレが生じます。

このズレの大きさが「真北方向角」として表示されます。

真北方向角は、平面直角座標系の原点上で0となり、原点の東側でマイナス、西側でプラスとなります。

作業内容

「作業内容」には、表示されている測量成果(緯度、経度、標高等)が算出された作業の内容が表示されます。

作業内容の種類は表5に示すとおりです。

表5 作業内容
作業内容 詳細
移転 基準点の現位置が管理上不適当な場合、位置を変えて設置する作業
再設 基準点の標石が亡失してしまった場合に再設置する作業
改測 基準点の測量成果(位置座標)を現位置を変えることなく再測量する作業
改算 基準点の測量成果(位置座標)を過去の観測値を用いた計算によって算出する作業
標高改測 基準点の標高成果のみを現位置を変えることなく再測量する作業
低下高上処理 基準点の標識が土砂などにより埋没してしまった場合や、基準点の標石周辺の土砂が流出し、標石が極端に地面から露出してしまった場合などに、標石の水平位置を変えずに高さを調整して埋め直す作業
測標水準 直接水準測量によって標高成果を算出する作業
改算(パラメータによる) 補正パラメータを用いて測量成果を再計算する作業
標高改算 基準点の標高成果のみを過去の観測値を用いた計算によって算出する作業
新設 新しく基準点を設置する作業

偏角(西偏)

方位磁針のN極は概ね北を指しますが、地図上の北(真北)と方位磁針の北(磁北)は異なります。この真北と磁北のなす角度を「偏角」といいます。

日本では、ほとんどの地域で方位磁針のN極が西側を指すことから「西偏」といいます。

国土地理院での地磁気測量に関する詳細は、「国土地理院 地磁気測量」をご覧ください。

伏角

地磁気は、大きさと方向を持つベクトルです。全磁力が水平面となす角度を「伏角」といい、水平面より下方を正とします。

水平分力

地磁気は、大きさと方向を持つベクトルです。水平面内での地磁気の大きさを「水平分力」といいます。

鉛直分力

地磁気は、大きさと方向を持つベクトルです。鉛直面内での地磁気の大きさを「鉛直分直」といいます。

全磁力

地球は磁石としての性質をもち、地球のつくる磁場を地磁気といい、その地磁気の大きさを「全磁力」といいます。地磁気の大きさを表す単位には、SI単位系の磁束密度であるテスラ(T)を使います。地球の磁場はとても弱いので、テスラの10-9のナノテスラ(nT)を使います。

エポック(地磁気測量における)

エポックとは、当該地磁気成果を算出した日(基準日)を表します。地球の磁場は時々刻々変化しているため、時間の経過と共に地磁気の値が成果値からずれていきます。そのため、成果を算出した日(基準日)を示しています。

重力鉛直勾配(mGal/m)

標高が高くなると地球の中心から遠ざかるため、重力値は小さくなります。具体的には標高が1m高くなるにつき,重力値は約0.3mGal小さくなります。このような重力値の鉛直方向の変化率を重力鉛直勾配と呼びます。重力の単位については、「重力とは」のページで解説しています。

重力値(mGal)

重力値については、「日本重力基準網2016」のページで解説しています。

エポック(重力測量における)

基準重力点の測量成果を算出した際の基準年月日(元期)です。

重力点も電子基準点、三角点と同様に地震等による地殻変動の影響を受け、時間の経過とともに重力点での重力値が成果値とずれていきます。このため、重力点の成果を算出した元期を示しています。

現況状態

「現況状態」には、基準点の標石の状況を示す情報が表示されます。

「基本測量及び同等の情報」には、国土地理院が実施した現況調査の情報と、公共測量等において同等の調査が行われた場合の情報が表示されます。また、これら以外の情報の一部について、参考情報として「公共測量及び一般からの情報」を表示しています。

現況状態に表示される内容とその詳細は表6に示すとおりです。

表6 現況状態
現況状態 詳細
正常 標石が正常に埋設されている状態
亡失 標石が測量成果の示す位置に存在せず、亡失してしまった状態
不明 建築物の建造等により、標石の状態が確認できない状態
傾斜 標石が傾いている状態
埋没 標石周辺の土砂が流出などにより、標石が地中に埋まっている状態
露出 標石が正常な状態より上部に露出している状態
柱石き損 柱石が部分的に欠けていたり、汚損等がある状態
柱石亡失 地中の盤石は存在するものの、柱石が亡失してしまった状態
球分き損 水準点上面の球分体が傷ついている状態
成果異常 測量成果が正常ではない状態
撤去 すでに標石を撤去した状態
報告なし 設置後、標石の状態が確認されていない状態
その他 上記の現況のいずれにも当てはまらない状態